覚せい剤 一発屋


 今も存在するのかどうかわかりませんが、私がまだ現役の頃には、ドヤ (メッカ地帯の簡易宿泊所の総称) の中の一室で手軽に覚せい剤を注射できる場所がありました。

 ノリ的にいえば酒の立ち飲み屋や立ち食いうどん、駅のジューススタンドみたいなものでしょうか

 正式には何というのかは知りませんが、私はその様な場所の事を一発屋と呼んでおりました。

 代金と引き換えにネタの詰まった道具をもらい、その場でネタを入れるというシステムです。

 テイクアウトも可能です。

 私は訪れただけで、利用したことがあるわけではないので詳しくは分かりませんが、一発分、赤キャップで目盛 4〜5 を数千円 (時価) でいただけるものだったと思います。

 レギュラーの量では物足りない人の場合は、申告すれば多く詰めてくれます。(勿論値段も高くなりますが)

 時価相場換算すると割高ですが、場所提供と低価格でとりあえず一発食えるという観点から、そこそこ人気はあったようです。

 当然その場で食うわけでして、悪いネタが出てくるという事は無く、グルメなポン中にも評判がよかったと聞いています。

 昔からメッカには日雇い労働者の方や低所得者等の方が多くいたので、そんな境遇でポン中な人達にはかなり便利な存在であったと思います。

 自宅に家族がいたりする人なんかだと、家では中々落ち着いて入れることができない訳で、摂取前後の高リスク時に人目を避けれる場所や、清潔な引水等の環境は、かなりありがたいものではないでしょうか。

 あと、うちこ (射ち子) という役割の人もいて、希望者には何かしらの対価と引き換えに、上手に注射してくれるという便利な環境も整っているところもあったようです。

 中の様子はといいますと、私が訪れたことのある所では、ほとんど何も置いていませんでした。

 ネタと道具 (P等) を入れてあるカバンとティッシュの箱くらいなものでした。

 ぱっと見、縛りのブクブクホース、ティッシュ箱、ゴミ箱くらいしかなかったですねぇ。

 とっさの手入れに備えてなのでしょうか。

 その様な場所では暗黙のルールみたいなものがありまして、逝った後のしばらくのラッシュの楽しみ時間は別として、割と素面ぽくなった時点で退場せねばならないというものです。

 食った後は、十人十色、皆いろんなカタが出現するわけで・・・

 いつまでもダベっていたのでは商売に差し支えてきます。

 その辺は皆心得ているようで、私がいた時は皆すみやかに去っていっていましたね。

 補足・修正 2006.11.1

 知り合いに聞き取り確認したところ、私の言う一発屋というものとは少し意味合いが違い、あくまで販売の延長であり、ついでに一発放り込むという場所であったようです。
 持ち歩くと危険なので、その場で入れていくというものであったらしいです。
 内容的にはほぼ同じなのですが、若干意味合いが変わっていますので補足記述させていただきました。m(_ _)m




 ハコ (箱)


 メッカでの大中小卸の倉庫兼商売の場所もドヤやウイークリーマンションにありました。

 その様な場所の事をハコと呼んでいました。

 小卸のハコは貫目の低い (低信用・だらしない等) 人が管理していることが多かったので、散らかっている部屋が多かったですねぇ。

 小卸の所なんかだと、一発屋みたいなこともしていたみたいですね。

 自己管理が希薄だと、当然ネタを多量に食うわけで、グルグルになるわけで、商売どころじゃなくなるわけで、トラブルも起きるわけで、すぐにクビになったりヘタうって (しくじる) ジャンプ (高飛び) したりしていましたよ。(笑

 大卸の物量の多い所なんかだと、しっかりした者がちゃんと管理しており、その筋のエライ方も出入りするのできちんと片付いていましたね。

 本式の高級電子天秤が置いてあったり、金庫が置いてあったりと中々それなりの雰囲気をかもし出してました。

 ネタ元と良い付き合いして仲良しになったんですが、ハコで味見とか裏話とか結構色々楽しかったっす。



 一発屋は今もあるのだろうか〜♪

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