ガラス製注射器
逝く時の注射器は、テルモ社製のインスリン注射用のマイジェクターが主流ですが、マイジェクターが品切れで手元に無い時や、雰囲気を演出したい時等にはガラス製の注射器を使用します。
慣れればガラス注射器も中々使いやすくていいもんです。
シャブ歴の浅いコ達の前でちょっと先輩面する時や、話題になった時なんかに使う事が多かったです。
ガラス製注射器にも色々ありまして、私的に一番使いやすいと思ったのがTOP社製のナンバーズド1ml ツベルクリン用注射器です。
形状もマイジェクター風で、マイジェクターでデビューした私にとっては違和感が少なく、戸惑うことなく使う事ができます。
ナンバーズドというのは、ロットごとに注射筒と押し棒のペアを研磨調整してあり、筒と棒に同じ番号が書かれていて同番号同士でないと性能をきちんと発揮できないというものです。
つまり、調整してあるので漏れ&抵抗が無く、かなり使い心地は良いということになります。
廉価な注射器で非ナンバーズドの未擦り合わせの物なんかだと、薬液の漏れ防止のために筒と棒のクリアランスが少々きつめになっているので、抵抗が生じてひっかかり、一人で注射するのには向きません。
これは研磨剤等で個別に擦り合わせ調整することによってこの問題は解決することができます。
針は使い捨てのテルモ社製の27Gを使います。
昔ながらの全金属製の注射針も持ってますが、使用後砥いだりするのが面倒なのと、刃先形状が旧式なので血管に負担をかける恐れがあるのであまり使いません。
旧式針の針先形状は一面砥ぎに対して、テルモ社製のものは三面砥ぎしてあり、比べると、痛みや組織破壊がテルモ社製はかなり少ないように思います。
もちろんマイジェクターの針先も三面砥ぎ形状です。
まぁ、旧式金属針が原因で腫れたり具合が悪くなった事は無かったですが。
ガラス製道具の使い良い点として、注射筒と押し棒の摩擦抵抗がかなり低いため、針を刺して血管に到達すると自然に血液が逆流してくるので血管に入ったのがとても分かりやすく、時々血管を外す私にとっては精神的負担が少なくて済みました。
押し引き(ポンピング)もマイジェクターのゴム抵抗と比べるとほとんど無く、人差し指一本で軽く引くことが出来、そのおかげで変に別方向に力がかかることがないので非常に健やかに入れることができました。
欠点としては、筒と棒の抵抗が少ないので油断すると薬液がこぼれ出てしまい、かなりもったいないことになってしまうことがあります。
ですから刺すまでは指で押さえて棒が動かないようにしておかないといけません。
ガラス製道具は使用後の洗浄と煮沸消毒が非常に面倒なので、数々のメリットがあるにもかかわらず、普段は手間のかからない使い捨てのマイジェクターを使用していました。
おまけ
何故赤キャップマイジェクターがなくなったんだろう
?
私が現役の頃は赤キャップマイジェクターの27Gと29Gがほぼ半々でオレンジキャップのものはほとんど見かけることはありませんでした。
某巨大掲示板等を見ていると、どうやら赤いのは製造中止になったみたいですね。
理由として考えられるのは、目盛の単位が紛らわしいので統一したのではないかと。
赤→ 1ml が40目盛で 1
目盛 0.025ml
橙→ 1ml が50目盛 (表記は100)
で 1 目盛 0.02ml
単純に 1ml を 40 より 100にした方が解りやすいので、理解しやすい方に統一したのではないのでしょうか。
赤だとメモリ 5 (約 0.1g強)で逝くポン中が多いので、橙だと
12.5 (目盛 6 ちょい)になり、ポン中にとっては逆にややこしくなる事となってしまった様です。(笑
ガラス製注射器のお話でした♪