タイーホレポート 5



 接見

 父親が面会に来た時に私選弁護士の依頼をしていたのだが、付き合いの関係から民事を得意とする弁護士になってしまった。(笑

 まぁ、保釈の手続きだけしてもらえればよかったので、それでも全然OKである。

 その弁護士との接見の時に、最速で保釈の手続きをとりたいとの打ち合わせをしておく。

 しかし、弁護士の言い分からすると、再犯 (この場合、覚せい剤使用) の可能性があると保釈が認められないことがあるらしい。

 まずそんな事は無いはずなので、最速のパターンで行くぞと念を押しておいた。

 留置場の係官 (勿論警官) から取調官へ、留置場の情報が流れるとかよく耳にするのですが、私がいた警察署ではその様なことはありませんでした。

 弁護士との接見時には、勿論留置係官が同室にいるわけで、その時に捜査側に知れるとかなりまずい事も弁護士と話したのですが、その後の取調べでその事を問われることはありませんでした。

 留置係官と付き合っていくうちにわかった事なのですが、係官は場内の情報を外部に漏らす事は良しとしない姿勢っぽいですね。

 あくまで私の時はそうだったというだけで、鵜呑みにしてるとえらいことになるやも知れませんので、十分ご注意ください。



 差し入れ

 有罪が確定していない以上、罰を与えるわけではないので、留置者にはある程度の外部からの差し入れが認められます。

 飲食物の差し入れは、食中毒等の配慮から禁止されています。

 服、下着、書籍、雑誌、現金、文房具(筆記関係)等が認められます。

 もちエロ雑誌もOKです。(笑

 切手の買い置きもあり、手紙も検閲されますが自由に出せます。

 タバコは係官が買いに行ってくれ、本人の持ち金から代金が引かれます。

 食べ物 (食事) に関しては色々形態はある様ですが、私がいた所では署内の食堂 (民間) のメニューから事前注文しておくと、指定した食事時にそれを食べる事ができます。(自弁というらしいが、呼び名の由来は不明)

 味は不味くない程度、量は多目、値段は高くない程度な感じでした。

 知り合いからの差し入れは、キョドってる (挙動不審) 人たちばかりなので本人が警察署まで来ることが出来ず、少なかったですね。(笑

 素の知り合いには逮捕された事は伏せてましたし。



 健康

 留置者は健康診断や病気の治療等の医療行為を受ける事ができます。

 私は夜眠れないので睡眠薬を処方してもらいました。





 検事調べ

 取調べが進み、ある程度形になってくると、検事が直接被疑者を取り調べます。

 検察庁まで連れて行かれ、検事の部屋で取調べを受けることになります。

 検 「えぇと、君は覚せい剤を精製しとったとなってるが、具体的にどういう作業をやっとったんや ? 」

 私 「ただ不味い混ぜ物を抜いとっただけですわ。」

 検 「製造とは違うねんな。まぁ、作っとったらえらいことやけどな。(笑」

 私 「同じ違法行為してるんやから、どうせやったら美味いもん食おうと思いまして。(笑」

 検 「取り去る行為だけで、メタンフェタミン合成に係わる事はしてないんだな ? 」

 私 「その通りですわ。作るのは爆発の危険あるし、臭いもエグいし、無理ですわ。」

 この様なやり取りの後、それまで警察で作ってきた調書をおさらいする形で検事調書を作る。

 調書作成が終わると

 私 「検事さん、これ読んで下さい。」

 留置場内で書いてきた反省文を検事に渡す。

 検 「これは何 ? 」

 私 「反省文ですわ。」

 検 「こういうのは裁判官に出すもんやぞ。」

 私 「分かってます。でも、検事さんに見てもらいたくて書いてきたんです。」

 保釈の判断は、裁判所だけの裁量で行われるものではない。

 検事の賛同がなければ認められないのです。

 つまり、保釈を認めてもらうために、確たるものにするために、根回し的意味合いで反省文を渡すというイレギュラーな事をやりました。(笑



 保釈

 検事調書を作った何日か後に検事が起訴し、その後に保釈申請をして認められれば晴れて保釈という形になります。

 通常の流れとして、起訴後、留置場から拘置所に移され、保釈申請をし、それが認められて保釈という形となります。

 私が狙っていたのは、拘置所に行くことなく、留置場から保釈で出て来ることです。

 そのためには、警察調書完成までの日程、検事調べの日程、起訴の日にち等、予想して段取りを組み、弁護士との調整もし、良いタイミングで起訴後に保釈申請する必要があります。

 そんな中で私に出来る事といえば、警察調書作成と弁護士との調整です。

 調書に関しては、ゴネない、少々事実と違っても警察の好都合通りの調書作成する等、全面協力の見返りとして、調書完成を早めてもらう事に成功しました。

 警察側での調書作成が遅いと、検事調べもその分後になってしまうわけで、起訴が拘留期限ギリギリということになってしまうと、起訴後すぐに保釈申請しても拘置所に移ってから保釈という事になってしまいます。

 他に、曜日や祭日等の暦も影響してきますが。

 私がしたことは、日程を早めるというのではなく、手続きが遅れない配慮&段取りを組んだということです。

 とまぁ、起訴の知らせが届くのを予想し、それに合わせて弁護士に保釈申請してもらったところ、拘置所行きになる前に保釈がみとめられ、警察署から保釈となる事が出来ました。

 保釈金は、取調べ上無職ということになってましたので、150マソでした。



 暦の加減もありましたが、我ながらうまくいったと思いました。(笑

 次の公判編で、タイーホレポート最終回にしようかと思います。



 つづく♪

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