タイーホレポート 6



 保釈時に、私を担当した刑事に挨拶するために署内の生活安全課に挨拶に行くと

 刑事 「おぅ、来たか。保釈らしいのぅ。」

 私 「えぇ、何とか保釈もらえましたわ〜。しかも、ここから直ですわ。」

 刑事 「ここから直って、めずらしいのぅ。えぇ(良い)弁護士の先生やったんか?」

 私 「いやいや、民事専門の先生でっせ。それは無理やわ。○○さん(刑事の名前)のおかげと、ワシの段取りで出来たんですわ。」

 刑事 「ワシのおかげて、どういうこっちゃ?」

 私 「調べ遅れんように頼みましたやろ。そのおかげで予定が読めて段取り出来たんですわ。おおきに。」

 刑事 「なんや、ワシはてっきりタバコ吸いたいから言うてきてたんかと思っとったわい。そんなこと考えとったんか。やっぱりお前タヌキやったのぅ。(笑」

 私 「まぁ、騙すつもりやなかったんですが、余計な事は言わん方がええと思いまして。(笑」

 署を出る時、刑事はちょっと悔しがっていた。(笑



 保釈後、弁護士から連絡があり、公判の日時を知らされる。



 通常、このテの裁判は求刑と判決の2回に分けて行われる。

 公判当日、弁護士と落ち合い法廷の前に着いたが、前の公判が長引いてるらしく、5分ほど待たされた。

 それが終わり、関係者が出ていくと早速私の公判が始まった。

 受付とかは特になく、いきなり被告人席に直行である。

 こんな簡単でいいのだろうかと、ちょっと拍子抜けした。(笑

 傍聴席には、弁護士か検事の卵らしいのが数人来ていた。

 取調べ段階から、私はポン中というより精製マニアというスタンスを取ってきていたので、公判内容もそれを元に話が進められた。

 容疑内容と求刑を検事がボソボソと聞こえにくい声で淡々と話す。

 あらかじめ書類で裁判所に提出してあるので、読み上げるというのは形式的にやるといった感じである。

 弁護士、検事両方から質問を受ける。

 検事からは証拠、供述に間違いないかと聞かれる。

 全部間違いないと完全に認める。

 弁護士からは、精製のために所持・使用していたのであって、使用はあくまで味見のためだったという内容の質問を受ける。(打ち合わせ通り)

 これも、その通りだと答える。

 検事、被告どちらにも一切の論争はなく、非常に円滑に公判が進められた。

 そのせいもあってか、検察、弁護、裁判官が簡単な協議をその場で行い、なんと判決は二日後に行われる事となった。

 異例ともいえる、かなり短い間隔である。



 二日後

 きっちり時間通りに始まる。

 判決の言い渡しだけなので30分位で終わった。

 裁 「あなたは覚せい剤の所持・使用で起訴されたわけですが、この事犯の人たちはかなりの割合で再び使用するようですが、あなたはどうですか ? やめることが出来ますか ? 」

 私 「私は精製するのが主な目的であり、使用はあくまで結果を確かめる手段にすぎません。よって、使用に対する執着心はさほどないのです。つまり、きれいさっぱりやめる自信はあります。今現在も使用したいとは微塵も思っていません。」



 ということで、下された判決は

 懲役一年六月 執行猶予三年

 でした。



 弁護士の話によると、実刑判決の場合求刑より少ない判決が出るのに対して、執行猶予中に犯罪を犯す求刑通りの年数が減免されることなく加算されるので、くれぐれも猶予期間中はトラブルを起こす事のないよう注意するようにとの事でした。



いい経験させてもらいました♪

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